ノートPC買い替え候補の調査
普段持ち歩いている Let's note CF-J10 を購入したのが、3年前の 2011年初夏でした。
これまでの経験では、そろそろスペックの見劣りや、経年劣化による問題が出てくる頃なので、世代交代を念頭に入れておく必要があります。
これまでの私のノートPC選定基準は:
- 本体重量 1kg 未満 (or 最大で 1.1kg 前後)
- 満充電で5〜6時間程度稼動できるバッテリー
- プログラム開発(コンパイル等)が出来る程度の CPU パワー
というものでしたが、現状だと更に以下の項目を追加したいところです。
- 搭載可能メモリ 8GB 以上 (1GB メモリを割り当てた仮想マシンを同時に2つ稼働可能)
この条件に合致する手頃な価格のノートPCに関して、ここ暫く色々調べまわった結果を、備忘録代わりに公開しておきます。
※ 最終的には、CF-J10 に延命措置を施すことにしました。
Panasonic
Panasonic からは、「アンダー 1kg」な CF-Rn/Jn シリーズの後継機種が、CF-J10 以降は出ていません。
とりあえず 1.1kg 前後で妥協するなら、一応候補はあるのですが、プログラム開発に使える程度のスペックを満たそうとすると、20万円オーバーコースになってしまいます。
Panasonic のラインナップは、経費で購入できるビジネスマン向けに、比較的高価格帯へとシフトしている印象がありますね。
NEC
NEC からは、「13.3型ノートPC世界最軽量」を謳う LaVie Z が出ていますが、搭載可能メモリが 4GB しかありません。
- 10層基盤だと、物理的な厚みが必要なので、8GB 搭載は見送った
- 同様に基盤の10層化が必要なデュアルチャネル化も見送った
以上のような、機器の基本設計レベルでの「最大搭載可能メモリ 4GB」なので、他のメーカーのような「直販カスタムモデルなら 8GB 搭載可能!」といった事は無さそうです。
上記の紹介記事中にも「軽さ優先のため、バッテリは4セル」とあるので、連続稼働時間の観点からも、8GB 搭載は難しいのかもしれません。
個人的には、VAIO 505 Extreme 所有の経験から、「1kg 以下の領域の軽量化は、所有者・メーカー両方にとって、単なる自己満足」、という結論に至っています。
購入した当初は軽さにワクワクするのですが、結局私の用途では、CPU を回してナンボ、という局面が少なくないので、度を越した軽さ優先マシンは、使い勝手が悪いんですよねぇ……
それに、薄さを前面に押し出している製品は、筐体の端を持った際に、きしみ・たわみが気になります。その点で Panasonic の Let's note は、軽量モデルでも十分な厚みを持たせているあたりが、個人的に安心できる点ですね。
一定以上の性能を維持した上で、方針として「薄型化」「軽量化」を掲げる分には良いのですが、目標として「最薄」「最軽量」を優先してしまうのは、少なくとも私の好みではないみたいです。
SONY
オーナーメイドモデル (いわゆる「メーカー直販」) であれば、所望のスペックを満たしつつ、1kg を切ることができそうではあります。
但し、PC事業譲渡の報道後は、予想通りというか、シェア低下が止まらないらしいですし、先行き不安な現状では、積極的に VAIO を購入する気にはなりませんよねぇ……
先述した 505 Extreme で、薄さ・軽量化を優先した製品での作り込みの甘さ (ヒンジ周り・継ぎ目 etc...) に少々ゲンナリさせられたのも、VAIO に食指が動かない理由の一つだったりします。
まぁ、「あつものに懲りてなますを吹く」なのかもしれませんけど(笑)
Toshiba
Toshiba の Dynabook KIRA V634 は、標準でメモリ 8GB を搭載 (増設不可) しつつ、重量は 1.12kg と、ギリギリ許容可能と言えそうな範囲に収まっています。
タッチパネルなしの 1.12kg モデルは、搭載ディスプレイ解像度が WQHD (2,560×1,440) と HD (1,366×768) の2種類あるのですが:
- メモリ共有型なので、高解像度モデルはメモリ消費量も多い筈
- 低解像度モデルの方が、バッテリー持続時間が長い (14時間 vs 22時間)
という状況なので、どちらを選ぶか悩ましいところですね。
プログラム開発メインな私の用途では、バッテリー持続時間重視で低解像度モデルの方が、妥当そうな気がしますけど。
但し、Dynabook KIRA V634 が搭載している Core i5 4200U は、消費電力や拡張命令(AVX2/FMA3)の点では優れていますが、Let' note CF-J10 が搭載してる Core i5 2410M よりも、動作クロックは通常時・ターボブースト時共に劣ります。
そのため、単純な CPU 性能の点では、ほぼ「現状維持」になりますね。
Apple
Mac Book Air の場合、Apple 直販モデル限定ですが、メモリを 8GB 搭載することができます。重量も 11inch モデルなら 1.08kg なので、ギリギリ許容可能と言えそうな範囲に収まっています。
POSIX 準拠で、且つ case insensitive なファイルシステムがまともに動作する環境、という点で、Mac OS X 環境はなかなか魅力的ではあります。スターバックスでドヤ顔もできますし (笑)
しかしその一方で、同等スペック CPU 上の Linux 仮想マシンに (少なくとも Mercurial のテストセット実行に関しては) 性能で劣る、というのは頂けません。
実のところ、Mac Book Air 購入にかなり心が傾きかけていたのですが、性能比較結果を見て、冷静さを取り戻してしまいました(笑)。
Mac Book Air が搭載する Core i5 4260U も、基本的な傾向は Dynabook KIRA V634 が搭載してる 4200U と同じですから、こちらも単純な CPU 性能の点では「現状維持」になります。
先述したように、Mercurial のテストセット実行では、Mac OS X が Linux 環境に実行性能面で劣ることがわかっていますから、下手をすると現行環境からは実質ダウングレードになってしまうかもしれません。
直販モデルで CPU を Core i7 化すれば、ターボブースト時クロックで Core i5 2410M を上回りますので、これなら何とか「アップグレード」になりそうではあります。
結論
大手PCメーカーでは、他にも Fujitsu や Lenovo、HP、DELL 等がノートPCを製造していますが、いずれのメーカーも私好みの軽量モデルは出していない模様です。
そうなると、重量・性能に加えて、価格を考慮に入れた場合、現状で「アップグレード」先として妥当そうな候補は、「直販モデルで Core i7 化した Apple Mac Book Air 11inch」ぐらいしかなさそうです。
しかし、積極的に移行する気になるほどには、現状の Let's note CF-J10 からのアップグレード感が高くないですねぇ。
はてさてどうしたものか?と考えていたところ、Microsoft から Surface Pro 3 の発表が!
性能・バッテリー持続時間・価格の面では、ほぼ問題なしと言っても良い感じです。重量も Type Cover と合わせて 1.06kg 程度ですから、これも問題なしと言って良いでしょう。
キータッチにあまりこだわりの無い私の場合、世間的にはあまり評判のよろしくなかった Let's note CF-J10 のキーボードでも特に不満は無かったので、店頭で触った感触からすると、おそらく Type Cover でも問題は無さそうです。
問題になりそうな点は、自分の利用ケースにおいて、あの Surface Pro 3 の構造でも大丈夫か否か、といったところでしょうか?Type Cover 下端〜本体下端〜キックスタンドによる倒立は、ある程度の平面が必要とされる点が心配です。
また、薄型・小型も一定以上になると、どのメーカーも微妙な点が出てくるので、Micorsoft の手による製品は大丈夫なのか?といった点も心配ではありますね (Surface Pro 2 までの評判はどうなんでしょう?)。
なお、CPU 性能と言う点では、Core i7 版を選ぶのでなければ現状からのアップグレード感が低いのは、Surface Pro 3 も Mac Book Air と一緒ですね。
以上のことから、私がノートPCを買い換える場合の現状での候補は:
- Mac Book Air 11inch (Core i7 版)
- Microsoft Surface Pro 3 (Core i7 版)
といったところでしょうか?
最終候補に残ったのが、いずれも OS ベンダーの製品、というのは面白いところです。
※ 2014-06-06 追記
国内メーカの多数がPC事業の収益に問題を抱えているらしいので、思い切った仕様のモデルを発売しづらいのかもしれませんね。LaVie Z みたいなモデルを出せている点では、NEC の PC 事業売却は上手く転がった方なのかもしれません。