ノートPCを新調 (Let's note CF-SZ6 ドライブレスモデル)
2014 年に以下のような梃入れで延命を図った CF-J10 ですが:
- メモリ増設 (16 GB 化)
- キーボード補修 (Caps Lock キー交換)
- バッテリー交換
その後もいくつか補修を行うことに。
- Caps Lock キー以外もダメになったので、キーボード全交換
- 冷却ファンが時折異音を発する (おそらく偏芯?) ため、冷却ユニットを交換
これで当分は安心して使えるだろう、と思っていたのですが:
前者だけなら、256 GB 程度の SSD に換装するという手もありますが、ここまで来たなら製品的な寿命と考えて、ノート PC を新調するのが良さそうです。
2014 年時点では碌な買い替え候補がなかったのですが、幸いな事に今回は多くの候補に恵まれました。
選定基準
今回の私のノートPC選定基準は、以下の点です:
- 本体重量 1 Kg 未満 (or 最大で 1.1 Kg 前後)
- 満充電で5〜6時間程度稼動できるバッテリー
- プログラム開発(コンパイル等)が出来る程度の CPU パワー
- 搭載メモリは 8 GB 程度
- ストレージは SSD 256 GB 以上
搭載メモリに関しては、現行の CF-J10 が 16 GB なので、 8 GB だとダウングレードになってしまうのですが、以下のような理由から 8 GB あたりが妥当な搭載量と考えました。
- 2 GB を割り当てた仮想マシン x 2 程度の稼働なら 8 GB もあれば十分
- CF-J10 を 16 GB にしたら、バッテリ稼働時間が体感 10 〜 20 % 程度減った
後者に関しては、CF-J10 が低電圧メモリ非対応である点も影響しているのかもしれませんが、兎に角、無理に 16 GB 搭載には拘らない、という方針です。
Panasonic
Panasonic の現行製品ラインナップでは、CF-SZ6 シリーズが今回の選定基準を満たします。
SSD 256GB/光学ドライブ非搭載モデルの CF-SZ6EDYPR なら重量 0.85 Kg というのは魅力です。公称 22 時間稼働の L サイズバッテリーに交換しても、推定 0.1 Kg 程度の重量増加 = 0.95 Kg ですし。
spec | CF-SZ6 |
---|---|
CPU | i5-6300U |
MEMORY(GB) | 8 |
SSD(GB) | 256 |
画面サイズ(inch) | 12.1 |
解像度 | 1920x1200 |
稼働時間(hour) | 14 |
重量(Kg) | 0.85 |
NEC
「軽量」をウリにした初期の Lavie Z は、搭載可能メモリが 4GB まで、という残念な仕様だったのですが、現行モデルの Lavie HZ (Hybrid Zero) は 8 GB のメモリが搭載可能になっていますので、今回の選定基準を満たせそうです。
但し、「8 GB メモリ」は Core-i7 モデルのみ、「稼働時間 9.0 時間」は大容量バッテリー搭載モデルのみの仕様です。
spec | LaVie HZ |
---|---|
CPU | i7-6500U |
MEMORY(GB) | 8 |
SSD(GB) | 256 |
画面サイズ(inch) | 13.3 |
解像度 | 2560x1440 |
稼働時間(hour) | 9.0 |
重量(Kg) | 0.85 |
(Sony 改め) VAIO
2014 年にノートPCの新調を検討した際には、PC事業譲渡やらシェア低下やらで、先行きの不透明感が拭えなかった VAIO ですが、現在は比較的堅調な事業運営になっているように見えます (根拠のない、単なる印象ですが……)
そんな VAIO の S13 シリーズは、重量こそ 1.06 Kg で若干のオーバーがありますが、今回の選定基準を満たせそうです。
但し、「8 GB メモリ」や「256 GB SSD」は直販のカスタマイズモデルのみの仕様です。
spec | VAIO S13 | VAIO S13 |
---|---|---|
CPU | i5-6200U | i7-6500U |
MEMORY(GB) | 8 | 8 |
SSD(GB) | 256 | 256 |
画面サイズ(inch) | 13.3 | 13.3 |
解像度 | 1920x1080 | 1920x1080 |
稼働時間(hour) | 9.8 | 9.8 |
重量(Kg) | 1.06 | 1.06 |
Toshiba
購入検討時は、Dynabook シリーズには選定候補になるモデルがなかったのですが、dynabook V シリーズ が年末になってから発表されました。
重量こそ 1.10 Kg で極々僅かのオーバーがありますが、バッテリー稼働時間が 17 時間や、高耐久性など、購入前に発売されていれば、十分候補になりえる仕様ですね。
spec | Dynabook V72 |
---|---|
CPU | i5-7200U |
MEMORY(GB) | 8 |
SSD(GB) | 256 |
画面サイズ(inch) | 12.5 |
解像度 | 1920x1080 |
稼働時間(hour) | 17.0 |
重量(Kg) | 1.10 |
不満点があるとすれば、HDMI/D-Sub 等の外部映像出力時は、専用のアダプタを介する必要があることでしょうか。
ミーティング等での発表時にアダプタを忘れると致命的、というのはちょっと心配です。仮に汎用の USB Type-C ⇒ HDMI/D-Sub 製品が使えて、他の人に融通してもらうにしても、Type-C の普及度ってそんなに高くないですよね?また、昨今は Wi-Fi が主流ではあるものの、いざという時の有線 LAN 接続 (RJ45) にもアダプタが必要というのも、心配性の自分からすると、減点要素です。
なお、東芝に関しては、白紙化したもののPC 事業の再編成を宣言してみたり、白物家電事業を売却したり、数千億円規模の損失の可能性があったりと、(PC を含め) この先の事業継続性に不透明感が拭えません。
順調とみられていたヘルスケア事業を早々に売却したりもしているので、黒字のPC事業であっても、売却されるんじゃないの?という不安は、購入に二の足を踏ませる要因ではあります。
Apple
Apple の MacBookAir は、Apple 直販モデル限定とは言え、メモリを 8 GB にカスタマイズ可能ですし、重量 1.08 Kg もギリギリ許容範囲内なので、選定候補としてはアリなのですが:
spec | MacBookAir | MacBookAir |
---|---|---|
CPU | i5-5250U | i7-5650U |
MEMORY(GB) | 8 | 8 |
SSD(GB) | 256 | 256 |
画面サイズ(inch) | 11 | 11 |
解像度 | 1366x768 | 1366x768 |
稼働時間(hour) | 9 | 9 |
重量(Kg) | 1.08 | 1.08 |
以下のような点から、今回は選定候補から外しました。
Microsoft
Surface Pro 4 は、仕様的には十分選定候補足り得るのですが:
spec | SurfacePro4 |
---|---|
CPU | i5-6300U |
MEMORY(GB) | 8 |
SSD(GB) | 256 |
画面サイズ(inch) | 12.3 |
解像度 | 2736x1824 |
稼働時間(hour) | 9 |
重量(Kg) | 0.79 |
私のユースケース的に「キックスタンド + Type Cover」での利用は、やっぱり無理があるかなぁ、という感じです。
移動の際に、膝上や狭いスペース (e.g. 新幹線のテーブル) で作業する頻度が少なくないので、Surface Pro 4 は今回の選定候補からは除外しました。
HP (hewlett packard)
今回の選定におけるダークホースの一つが、HP Spectre 13 です。
spec | HP Spectre13 | HP Spectre13 |
---|---|---|
CPU | i5-6200U | i7-6500U |
MEMORY(GB) | 8 | 8 |
SSD(GB) | 256 | 512 |
画面サイズ(inch) | 13.3 | 13.3 |
解像度 | 1920x1080 | 1920x1080 |
稼働時間(hour) | 9 | 9 |
重量(Kg) | 1.11 | 1.11 |
「ラグジュアリー PC」を謳うだけあって、触った感じが凄く良いですし、コストパフォーマンスも凄く高いです。
不満点は、Dynabook V72 同様に、HDMI/D-Sub 等の外部映像出力や有線 LAN (RJ45) 接続には別途拡張アダプタが必要な点ですね (外部インタフェースが USB Type-C のみ)。
ASUS
ASUS の ZenBook 3 も、今回の選定のもう一つのダークホースです。
spec | ASUS ZenBook3 | ASUS ZenBook3 |
---|---|---|
CPU | i5-7200U | i7-7500U |
MEMORY(GB) | 8 | 16 |
SSD(GB) | 256 | 512 |
画面サイズ(inch) | 12.5 | 12.5 |
解像度 | 1920x1080 | 1920x1080 |
稼働時間(hour) | 8.7 | 8.7 |
重量(Kg) | 0.91 | 0.91 |
HP の Spectre 13 同様、コストパフォーマンスは凄く高いです。
選定
今回は以下の候補からの選定です。
評価項目 | CF-SZ6 | LaVie HZ | VAIO S13 | HP Spectre13 | ASUS ZenBook3 |
---|---|---|---|---|---|
実績 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
稼働時間 | ◎ | △ | △ | △ | △ |
重量 | 〇 | 〇 | △ | △ | △ |
価格 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
実績
「軽量薄型ノート PC」の場合、排熱やら堅牢性といった、非機能要件的な要素が山盛りですから、スペックだけで飛びつく訳にはいきません。「軽量薄型ノート PC」周りにおけるメーカー自体の実績や、製品 (系列含む) の発売から十分な評価期間が経過しているかは、非常に重要です。
HP Spectre13 に関しては:
- 「軽量薄型ノート PC」分野に関する HP の実力が、私個人としては読み切れなかった (HP 自体は実績のあるメーカーですが……)
- Spectre13 自体が、世に出て一年も経過していない
ASUS ZenBook3 に関しては:
- Nexus7 2013 でのタッチパネルの微妙さや、ZenFone2 関連で聞こえてくる評価など、デバイスの製造に関しては ASUS の評価を一段下げざるを得ない (マザーボードに関しては全幅の信頼を寄せるにやぶさかではないのですが……)
- ASUS ZenBook3 自体が、2016-11-04 に日本で発売されたばかり (2016-11-02 にアナウンス)
ということで、「実績」評価が低くなっています。
人柱覚悟での購入なら、この評価は無視しても良いのですが、流石に今回のノートPC新調では、そこまで割り切れません (^ ^;;;)
稼働時間
個人的に、プログラム開発で使用した場合、メーカー公称の半分程度が実際のバッテリー稼働可能時間、という印象を持っています。
私のユースケース的には、5 〜 6 時間程度の実稼働時間が欲しいので、10 〜 12 時間程度のメーカー公称値が要求されることになります。
Panasonic CF-SZ6 は、大容量バッテリーへの換装により、更に長時間の「メーカー公称 22 時間」稼働への余地を残しているので、◎評価としました。
それ以外は、必要な公称値に少々足りない 9 〜 10 時間近辺なので、△評価になっています。
重量
「アンダー 1.0 Kg 」なら〇、それ以外は△評価になっています。
価格
唯一「オーバー 20 万円」な Panasonic CF-SZ6 が×評価になっています。
結論
実質的には、「実績」評価で残った Panasonic CF-SZ6, NEC Lavie HZ, VAIO S13 からの選択でした。
最後まで価格がネックでしたが、結局 CF-SZ6 を購入することにしました。
決定要因としては、主に「実績」と「稼働時間」での評価が大きいのですが、即日修理対応してくれる Panasonic 直営の「Let's note 修理工房」が秋葉原にある、というのも決め手の一つでした。
これまで使用してきた CF-J10 も、合計三度修理工房のお世話になっていますが、ハード的な不具合が発生した場合に、修理上がりを何日も待たずに済む、というのは心理的に非常に助かります。
実のところ、修理工房が店頭販売モデルのみを修理対象にしている、という一点で、直販のカスタマイズモデルではなく、店頭販売モデルの CF-SZ6 を購入していたりします。まぁ、直販カスタマイズモデルだと、価格も高いし、ヨドバシポイントも付かないですしね (笑)