メモリスロットのクロック
暫く前の話になるが、ここ3年ほど使ってきた Let's Note CF-R7 が、性能的に厳しくなってきたので、ノートPCを新調した。
ちなみに、僕自身にとっての「持ち歩き用ノートPC」の最低条件は以下のようなもの。
- 本体重量 1kg 未満
- 満充電で一定時間以上稼動できるバッテリー(今時なら4〜6時間程度)
- プログラム開発(コンパイル等)が出来る程度の CPU パワー
キータッチとかポインティングデバイスには特にこだわりが無いので、ここ数年は実質的に Let's Note の最軽量ラインの指名買い状態。
で、今回は最軽量ライン CF-J10 シリーズの (購入当時の) 最新版である 2011 夏モデルを購入。
標準搭載/搭載可能メモリがそれぞれ 2GB/6G なので、目一杯搭載するために 4GB の拡張メモリを購入することにしたのだが、箱入りとバルクの差額が1万円程度 (量販店価格) と結構馬鹿にならない金額なので、memtest86+ での確認による安全性担保を前提に、バルク版を買うことに。
まぁ、経年劣化とかもあるので、妥当性が完全に担保できるわけではないんだけどね > memtest86+実施@購入時確認
店頭の CF-J10 スペック表示に従って PC3-8500 の 4G バルク版を購入し、自宅で組み付け&メモリテストを実施 .... あれ?内臓と増設でメモリのクロックが違ってねぇ?
拡張メモリは当然 PC3-8500 なのだけれど、内臓メモリは PC3-10600 になってるぞ? > memtest86+
ぐはー!やられたー!間違った店頭表示に騙されたか? バルク版なら PC3-10600 でも価格的には大差無いのに!
.... あれ?ウェブ上の仕様詳細見ると、拡張メモリースロットの仕様は確かに PC3-8500 になってるなぁ。
ひょっとして、以下のような理由などにより、わざと拡張メモリのクロックを落としてあるとか?
- 電力消費の問題
- 排熱の問題
- サポートチップ等のコストの問題
2011 秋冬モデルの CF-J10 では、それまで 32 ビット版だった初期インストール済み OS が 64 ビット化してあるので、少々事情は変わってきているかもしれないけれど、32 ビット OS 利用者が大多数だと仮定するなら、どうせ 4G で頭打ちになるのであれば、拡張メモリのクロックが遅くても大きな問題にならない、という判断が働いても不思議ではない。
確かに、メモリクロックが 10 〜 20 % 程度上がっても、「メモリ転送速度」に特化したベンチマーク計測でもしない限りは、有意な差が出ることはそうそう無いしねぇ。
ただやっぱり、内臓/拡張でメモリのクロックが違う、ってのは気にはなるなぁ。
OS の物理メモリの割り当てロジックに、「利用可能領域がある間は内臓メモリを優先」とか、「ヒープ/スタックには内臓メモリ、ファイルキャッシュには拡張メモリ領域を優先」なんていう、物理構成に配慮したロジックとかが組み込まれているなら良いのだけれど、メモリドライバとかがちゃんとハードウェアを意識するように書いてあれば、Windows でもそこまで配慮してくれたりするのかなぁ?
Solaris だと、Memory Placement Optimization (MPO) という仕組みがあって、NUMA のような非対称なメモリ構成のシステムにおいて、割り当てる物理メモリ領域を選択できたりするのだが、それでも「用途毎」での選択とかは出来なかった筈....