彷徨えるフジワラ

年がら年中さまよってます

2011 年を振り返る&2012 年の抱負

単に年間12回ある月末の1つではあるのだが、縁起物なので、例によって振り返ってみたりなど。とりあえず、去年と同じ枕で始めてみる。

執筆活動

今年は『俺のコードのどこが悪い?』(紙媒体) と『アセンブラで読み解くプログラムのしくみ』(電子媒体) の2冊の出版に漕ぎ着けることができた。

俺のコードのどこが悪い?

俺のコードのどこが悪い?

『俺の〜』は7割、『アセンブラ〜』は3割程度は前年までの成果なので、純粋に『2011 年の成果』というわけではないけれど、去年の振り返りで成果計上していないから、まぁ、良しとしよう。

っていうか、Mercurial 本の時もそうだったのだが、年を跨いでの執筆は気もそぞろな年末年始を過ごす羽目になってしまうので、出来れば今後は回避する方向で....。

Mercurial 関連活動

Mercurial のパッチ投函に関しては、メッセージ翻訳のコミット 10 回に本体へのパッチ採用が 30 と数は多いのだけれど、本体修正のうちの 25 本は Matt の意向に沿って修正を細分化したものだから、『問題修正数』という意味では、実質 12 〜 13 個ぐらいかな?
まぁ、それでも去年は翻訳 6 +本体修正 8 とかなので、今年は頑張ったと言って良いかも。

『説明で箇条書きするくらいなら、修正を細分化しろ!』(意訳)とか『テストファイルを追加するんじゃなくて、既存のテストに足せ!』(意訳) と、たびたび Matt に叱られつつ、修正&動作確認等を繰り返した成果なので、心理的には数の上での増加分以上に頑張った印象が。っていうか、case insensitive filesystem まわりの方針を辛抱強く説明し続けてくれた Matt には感謝してもし足りない。

修正の行きがかりで NTFS@Windows とか HFS+@MacOScase insensitive filesystem の仕様とか、グルジア語に関する Unicode コードページ追加の歴史経緯とか、当初の修正の際に自分が想定した範囲を大幅に超える知識を取り込む必要があったのも、今となっては良い思い出 (笑)。

まだ 2 series ほど仕掛かりの修正パッチ案があるので、来年も頑張らないとなぁ。

でも『case insensitive filesystem 関係の作業をやってるみたいだから、あいつにも cc しとけ』的に既存 issue の nosy list に追加されたりしたのは、ある程度認めてもらえた感じがしてちょっと嬉しい (^ ^)。

SCMBC Tokyo #2Mercurial Advent Calendar 2011 など、イベントへ参加での情報発信が出来たのは良かったのだけれど、数年来未達成状態が続いている以下の作業は着手出来ず仕舞い。

  1. 最新版の BOS 本の翻訳
  2. 自作 extension の公開

確実な実施を担保するために、枠組みの転換を考えないといかんなぁ。

メッセージ翻訳の方も、病気療養 (後述) とか本体修正パッチ祭り状態@年末とかを考慮しても、年の後半は失速気味だったので、この点も反省。

Solaris 関連活動

Tokyo Open Solaris 勉強会での発表資料作りを通して、カーネル内のメモリ管理に関する理解がより深まった点は良かったのだけれど、こちらも Mercurial 同様に、年来未達成状態が続いている以下の作業は着手出来ず仕舞い。

  1. skelton filesystem の実装
  2. MDB コマンド実装技術の修得
  3. DTrace アセンブラの実装
  4. Solaris Door に関する調査のまとめ

今年は専ら "Solaris Internals" とか Open Solarisソースコードを読んでばかりで、実装が追い付いていない状況だったので、2012 年は実装量を増やす方向で。

port_create(3c) 経由で FEM (File Event Monitoring) を利用出来ることを突き止めたので、まずは Inotify ExtensionSolaris 版あたりなんてどうだろう?などと言う抱負を。

物欲

今年は引越しに伴って、家電類も含めて色々買い替えを行ったけど、断捨離で持ち物も大幅に減ったので、気持ち的にはあまり物欲を発揮した実感は薄い。は!?この油断が無駄遣いへの第一歩か?

年末になって買った mac mini は、Mercurial の修正確認/テストセット実施で大車輪の活躍だったので、『物欲で買った』感が薄いんだよなぁ。感覚的には完全に『必要経費』枠 (笑)。

っつーか、case insensitive filesystem 対応の修正は、この mac mini が無ければ年内には無理だったかも。修正の副作用確認のためにテストセットを全実行しようとすると、cygwin 上での所要時間約3時間に対して、mac mini 上なら30分で終了するのだ。まぁ、非力なノートPC (Core i5 2410M 2.3GHz) でも、VirtualBox 上の debian で実施すれば20分で終了する事を考えると、性能的にはあと一歩なのだけれど。

自宅サーバの HDD の買い増しとかデスクトップPCのマザーボードの買い替えは、どちらもハード故障が原因だから、これも感覚的には『必要経費』枠。ノートPCの新調も同じ扱いだなぁ。

ありゃ、iPod 周りをあれこれ購入したのは昨年末じゃなくて今年になってからか?そういえば、紙の辞書の処分に伴う電子辞書購入とか、Kindle 4G 購入とか、改めて振り返ると、やっぱり今年も色々買ってるね > 自分

地震・退職・病気治療

今年は色々とイベントが。

3/11 の大震災では、『内陸なので火事さえ発生してなければ大丈夫だろう』とは思いつつも、停電の影響で岩手の実家と連絡が取れない間は、流石に気が気ではなかった。

丁度『俺のコード〜』の発売直前だったのだけど、出版社側も機能を回復するのに少なくない日数が必要だった模様。そもそも店頭に並べるための物流がアレだったらしいし....

で、溜まりに溜まった有給休暇とか特別休暇とかの消化のため、余震やら計画停電の中、3/19 から長期休暇状態。っつーか、そのまま 6/30 付けで前職を退職したので、実質的には 3/18 が最終出勤。

それから間も無くエナメル上皮腫の診断が下って、歯を抜いてドレーンを入れたり、引越ししたり、退職に伴う諸手続きをしたり、『アセンブラ〜』の加筆/修正/校正作業をするうちに、あれよあれよと時間が過ぎて、手術で腫瘍を除去したのが 9/28。で、それから既に三ヶ月が経過。

改めて振り返ると、あっという間な気もするけれど、この一年の時間の流れは結構濃かった印象が。

そういえば、概ね10年単位で体に変調が生じている気がするなぁ。11歳頃は酷い貧血で暫く学校に行けなかったし、22歳頃は腰椎椎間板ヘルニア (+手術)、30歳頃に花粉症が発症して、40過ぎの今回がエナメル上皮腫という具合。十年後は気を付けよう。

まぁ、まずは来年が良い年でありますように。