彷徨えるフジワラ

年がら年中さまよってます

人生一プログラマ

現在、Mercurial のライセンス条項を、現在の GPLv2 から GPLv2 or later に変更する作業が進行中なのだが、日本人コントリビュータで連絡の付かない方が二人ほど居たらしく、Matt Mackall 氏から「連絡つけられないかな?」との依頼があって、とりあえず思い付く範囲で何箇所かにメールを送ってみた。

結局二人とも私とは関係無いルートで消息が判明したらしく、一人は無事連絡が付いたのだけど、もう一方の NIIMI Satoshi 氏は残念なことに2年ほど前に亡くなられたらしい。

ログを確認すると、mq.el に対するコミットが丁度2年程前になるので、おそらくこの修正パッチと前後して亡くなられたものと思われる。

変更履歴でしか接点が無かったけれど、NIIMI Satoshi 氏の冥福を心からお祈りしたい。

話は飛ぶけど、以前電車に乗った際に、向かい側に座ったおじいさんが鞄から結構厚目の Ruby の入門書を取り出し、一心不乱に読みふける場面に出くわしたことがある。

「リストラ対策に慌てて憶えようとしてます」感の漂う VBJava でもなければ、「そもそも情報工学/計算機科学系の人間ですから」臭の匂う言語仕様系書籍でもなく、「どれ、一つ、流行っていると噂の言語でも使ってみるか」風な Ruby で、且つ入門書を読んでいるあたり、あぁ、このおじいさんは(あくまで私の想像上では)本当にプログラミングが好きなんだなぁ、と何故だかこちらまで楽しくなってきた。

思い返すたびに、願わくば件のおじいさんのように、老境に至ってなお好奇心旺盛な自分でありたい、と思っているのだけれど、NIIMI Satoshi 氏の訃報に接して、まずは老境に至るまで生き続ける必要があることを痛感した。

追伸: 上記における各言語のイメージは、あくまで私の感じた世間の風潮等を元にしたフィクションであり、実在の言語やその傾向とは一切関係がありません。各言語はこの後スタッフが美味しくいただきました。