Gihyo Digital Publishing の書籍を Kindle で
先日、技術評論社 (Gihyo Digital Publishing) から電子書籍を出版したのだが、同じ電子書籍なのだから、どうせなら Kinlde 4G でも読みたいところ。
とは言え、次期フォーマットが HTML5 方向に舵を切るとの話はあっても、Kindle が直接 EPUB 形式をサポートする見込みは当分無さそう。
しかし、そこはそれ。Amazon.com は、各種データ形式 (EPUB 含む) から、現行 Kindle が解釈可能な mobi 形式に変換するための KindleGen なるツールを用意している。
KindleGen に至る経路は以下の通り。直接リンクだと、ページ移動等で辿れなくなるので、手順表記で。
- トップページ
- ページ下部 "Make Money with Us" 項目の "Independently Publish with Us"
- "Kindle Books" 枠の "Learn More" ないしは、左側の "KINDLE BOOKS" ⇒ "Getting Started & FAQs" の "Kindle Publishing Guide"
- 左側の "Prepare Your Book" 分類の "Tools and Resources"
- KindleGen のダウンロードリンクのあるページに到達
アーカイブをダウンロード&展開したら、そこに含まれる kindlegen.exe コマンドを単独実行すれば、ヘルプが表示される。
要するに:
$ kindlegen 変換元ファイル -o 変換先ファイル
という感じで実行すれば良い。
で、自分の書籍の出版待ちだった期間に、アカウント登録だけで入手できる『Cプログラミング入門』を試しに変換してみたところ、あっさり変換に成功!
まぁ、テーブル表記とかコード/実行例とかの、デザイン/配色等に凝っているあたりの再現性はイマイチではあるけれど、Kindle for PC でも、物理デバイスの Kindle 4G でも、問題なく閲覧できる状態に。
段落区切りの視認性の点からは、"Solaris Internals" と同様に横持ちで閲覧するのが良さそう。
こうなると、当然自分の書籍も Kindle で閲覧したくなるのが人情と言うもの。
出版直後に早速 KindleGen で変換してみると.... エラーで変換できない ... orz
nfo(prcgen): Added metadata dc:Title "???????????????????" Info(prcgen): Added metadata dc:Creator "????" Info(prcgen): Added metadata dc:Publisher "?????????" Error(prcgen): Language not recognized in metadata. The dc:Language field is mandatory. Aborting.
メタデータファイルの言語設定が漏れてるってことか?
本来であれば、EPUB ファイルのアーカイブを展開してメタデータファイルを直接書き換えるぜ!と、いつもの暴走スイッチが入るところなのだけれど、流石に執筆〜校正で繰り返し何度も読んだ自分の本だと、イマイチ頑張る気力が沸いてこない(^ ^;;;)
とりえあえず、担当編集に「変換出来なかった」旨を伝えるだけ伝えておいたら、今日になって『Gihyo Digital PublishingのEPUBをmobiに変換してKindleで読む』なる記事公開の知らせが!
あー、calibre を使うのかぁ。
僕も最初は calibre 使おうかとも思ったのだけど、KindleGen で変換できたから、ま、いーか?と思っちゃったんだよねぇ。
とりあえず、件の記事の手順に従って変換作業をしてみることに....
うぉー!ちゃんと変換できてる!しかも結構読み易い感じ!
段落間の間隔具合とか、KindleGen よりも calibre の方が変換結果は良いなぁ。っていうか、calibre 変換の奴なら、横持ちしなくても大丈夫そうな印象が。
一般書籍の組版では、行の間隔は二分四分空き、つまり隙間が二分(= 0.5)四分(= 0.25)の合計 0.75 文字分になるらしいとのことだったので、calibre での行高さ設定を、解説記事の 200% から 175% にしてみたのだけれど、確かに 200% の方が良かったかも?
あとは、サンプルコード/実行例と地の文との区切り(特にサンプルコード/実行例の終わり)が、もうちょっとはっきりしていれば、完璧だな。水平線 (<hr/> 相当) とかの区切り記号を差し込めれば、最高なんだけどなぁ。
そうそう、mobi 形式でもテーブルがちゃんと使えるっぽいので、Kindle 版の "Solaris Internals" で表が画像だったのは、出版側の手間とかの都合だったんだなぁ。