彷徨えるフジワラ

年がら年中さまよってます

印刷博物館で活版印刷体験

凸版印刷が運営している印刷博物館に行ってきた。

20世紀末に CSS(Cascading Style Sheet) に手を出した際に、見易いレイアウトのお作法に関しては印刷業界に一日の長があるだろうという事で、組版に関する入門書を何冊か読んだり、知人が印刷業界に勤めていたりしたこともあって、比較的印刷系には馴染みが。っつーか、印刷博物館に来るのは、実は今回で2回目。

前回活版印刷体験コースを受講できなかったのが心残りだったのだ。

で、今回は受付時間を見計らって行ったので、無事体験コースの受講に成功。
基本的な手順は:

  1. 文選(必要な活字を集める)
  2. 植字(活字を印刷位置に並べる)
  3. 組み付け(活字を整えて固定)
  4. 印刷

という感じで、体験コースは一筆箋の用紙に(最大)7文字の文面を印刷する。

自分の場合は文面が6文字で、且つ読みがサ行の字が多い=活字棚から探す範囲が狭かったのだけど、思った以上に文選は大変。あれで新聞とか作らされたら死ぬわ。

植字に関しては、単に文面通りに並べる以外にも、文面次第では文字間に適宜スペースを入れて調整したりする作業が発生する場合も。

但し、今回の文面が漢字のみだったことから、ベタ組みが妥当だろうなぁ、と思っていたら、補助の係の人も「ベタ組みで良いんじゃないですか?」とのことで、特にやること無し。

組み付けは基本的に係の人がやってくれるのにちょっとだけ手を出す形式(ハンマーで版を軽く叩くだけ)なので、これも特に問題無し。

旧式とは言え手入れの行き届いた機械を使うので、手順通りに進めさえすれば、印刷もすこぶる順調。

つまりは、(文面が特殊でなければ)文選が一番大変、ってことだな。

でもやっぱり活版印刷は面白い。DTP 野郎というわけでも無いのだけれど、物理的に組み上げたものから成果が出てくる、ってのはワクワクする。

今回の成果の一筆箋はこんな感じ。活字のサイズは(確か) 12pt。

印刷講座を受講すると、活版印刷の設備を使わせてもらえるらしく、受講したい衝動に駆られてしまう....

5月5日は入館無料の大盤振る舞いだったのだけど、正直、人出はそれほどでもない。

体験コース以外にも、印刷史の説明とかテーマ展とか、(個人的には)楽しい展示が盛り沢山。VRシアターの上映内容もなかなか見応えのあるものなので、もっと人が来ても良さそうなものなのになぁ。

※ 2010/05/06 追記

マイコミジャーナルにもレポート記事があった。