医者は失敗を墓の下に隠せるけど
建築家は「蔦を生やせ」とアドバイスするぐらいしかできない、という台詞がソフトウェア関係の何かの書籍で引用されていたのを目にして、印象に残っているのだけど、あれはどの本で、誰の台詞を引用したのだったかな?それは兎も角。
最近、ソフトウェアエンジニアと話す機会がある都度、"Dr HOUSE" の話題を振るのだが、一向に知っている人に出会わない。
おかしい。本国では何やら著名な賞を受賞していて、セカンドシーズンまでは日本テレビ系でも放送されていたので、結構知名度が高いと思っていたのだけどなぁ。深夜帯だったからなのか?
で、"Dr. HOUSE" がどういう話かというと、概ね以下の黄金パターンが毎回繰り返される、と思っておけば間違いない。つまりは非常に水戸黄門的(笑)。
原因不明の急患が、主人公 Dr. HOUSE の在籍する病院に運び込まれる。幾つかの症状を元に、彼とそのスタッフが原因を推理して治療を行う。
→ 原因不明のバグの報告がもたらされる。幾つかの現象を元に、プロジェクトメンバーが原因を推理して修正を行う。
しかし、放映時間内に概ね3回ないし4回行われる処置は、最後の1回を除いて、効果が無いか、場合によっては症状を悪化させる/別な症状を引き起こす。
→ しかし、納品期限までに複数回提供される修正パッチは、最後の1回を除いて、効果が無いか、場合によっては障害を悪化させる/別な障害を引き起こす。
Dr. HOUSE は患者の治癒を第一に考えるので、患者が隠している秘密を暴いたり、「症状が悪くなれば原因の特定ができる」と称して、わざと別な処置/処方を試してみたりする。
→ プロジェクトメンバーはバグの修正を第一に考えるので、テスト担当が報告してこない詳細条件を問い詰めたり、「コアダンプが採取できれば原因が特定できる」と称して、わざと不正データ/高負荷を与えてみたりする。
意外な原因を突き止め、患者の病気は治癒する。
→ 意外な(= ばかばかしい)原因を突き止め、プログラムの問題は解消される。
なんというか、身につまされるドラマだ(笑)。
そんな素敵な "Dr. HOUSE" の中で、私が最も気に入っている台詞が、恩師に勧誘されて転職を考えているスタッフを引き止めるために、その恩師を評する以下の台詞。うろおぼえなので言い回しは違うかもしれないけど、大意は概ねあっている筈。
奴(=恩師)は医者のくせに、自分の患者が死にそうな時でも、熟睡できるような奴だぞ!
→ 奴はプログラマのくせに、自分のプログラムでバグが顕在化している時でも、熟睡できるような奴だぞ!
あぁ、素敵過ぎる! > Dr. HOUSE