彷徨えるフジワラ

年がら年中さまよってます

ZenFone 2 (ZE551ML) を購入

私の普段の外出時の通信環境は:

  • 音声通話利用の頻度は低い
  • キャリアメールのアドレスは維持したい
  • データ通信の高速性はそれほど必要ない
  • テザリングでのデータ通信量は、月々 1GB 前後程度
  • テザリング使用時にモバイル端末のバッテリ残量を気にしたくない

という条件での経済性を考えて、「通話用ガラケー (docomo)」と「テザリングタブレット (docomo MVNO SIM)」を併用していました。

「音声通話利用の頻度が低い」のに、音声通話付きの MVNO のプランに移行しないのは、「キャリアメールのアドレス」と「家族間通話無料」が主要因です。田舎の知人に PC メール拒否設定な人が多いので、前者の条件を外せないんですよねぇ……

テザリング用途で使用していた Nexus7 2013 に特に不満がないことや、テザリング使用時のバッテリ持続時間への不安もあって、スマートフォンの導入はあまり考えていませんでした。

先日、Mercurial 3.6 Sprint at London への参加で渡英した際に、現地での通信環境をアレコレした結果として:

  • データ通信は日常的に必要 ⇒ 現地 SIM を調達して使用
  • 音声通話は緊急時のみ必要 ⇒ 普段使いの docomo の携帯を国際ローミングで使用

あたりが妥当かなぁ、とか:

そもそも、多くても年に一回行くか行かないかの海外渡航での、数千円の支出削減のために、数万円も払ってスマートフォンを新規に購入するというのは、物凄く本末転倒な気がしますし(笑)

などと書いたのも、その辺の事情に由来します。

しかし、渡英の際に色々調べた副作用で物欲が刺激されたことで、結局 ASUSZenFone 2 (ZE551ML) を購入してしまいました(笑)

以下、購入に至る経緯で調べた諸々に関して、備忘録代わりにまとめておきます。

なお、このエントリ自体は 2016-06-15 時点で書いたものなので、時系列的に色々前後した内容になってます(笑)

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MVNO 回線と docomo 回線の利用コスト比較

ネット界隈では、「iPhone 等の高額機種を購入するのであれば、MVNO 回線 + SIM フリー版よりも、三大キャリアと契約する方が得」、という言及を多数見かけるので、本当にお得なのか、どの程度お得なのかを調べてみました。

年が明けたら、総務省の指導に基いて、料金体系が大きく変わると思われますが、とりあえず「2015 年末時点ではこうだった」という備忘録代わりに公開しておきます。

前提条件

これ以降で記載されている金額は、全て 2015-12-08 時点での税抜き価格です。また、事務手数料等の類は、簡略化のため除外しています。

購入機種は iPhone6s 64GB を想定します。

比較対象は以下の2つのプランです。

--- IIJmio docomo
通話 従量制 (10円/30秒)(*) 無制限 (カケホーダイ)
データ通信 3GB 2GB (データSパック)
その他 想定通話料: 400円(= 20分相当(*)) SPモード: 300円
月額使用料 2,000円 (1,600 + 400) 6,500円

(*) 「みおフォン」利用を想定

なお、月々の通話がコンスタントに 245 分(= 「みおフォン」併用で 4,900 円相当)を超える場合は、通話無制限のプランで月額使用料を安価にできる docomo 利用の方が明らかにお得ですから、このエントリをこれ以上読み進める必要はありません(笑)

また、大量の契約 ⇒ 売却を繰り返すことで、「実質的に安価に運用」するケースも無視します。

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渡英時のモバイル通信環境に関する備忘録

先日、Mercurial 3.6 Sprint で渡英した際に、現地でのモバイル通信環境を確保するために、事前調査した内容と、実際に現地で確保した通信環境を使用してみての感想を、備忘録代わりに公開しておきます。

前提条件

ロンドンのモバイル通信事情は、ネットの情報曰く「ホテルや観光地、各種店舗等で、フリーの WiFi アクセスポイントが利用可能」とのことなのですが、その一方で:

  • booking.com でのホテル評を見ると、「WiFi が繋がらない」旨のコメントを多数見かける
  • 公衆 WiFi の可用性(施設密度/回線速度等)が、イマイチ不明
  • 「ロビー等の共有スペースでのみ WiFi アクセス可能」なホテルもある

特に、今回の様な「不案内な外国での一人行動アリ」な状況の場合、現在地の確認等の必要性からも、「常時繋がる」環境を確保しておきたいところです。

国際ローミングは値段が高く、請求金額にビクビクしながら使うことになりますから、個人的には端から候補外です。ここは、現地で使えるデータ通信用 SIM を入手するのが良さそうです。

なお、今回の渡英では、手持ちの Nexus7 2013 を主軸にしたモバイル通信環境を構築しますが、Nexus7 は音声通話に対応していません。

IP 電話を使う手もありますが、ただでさえ電波事情の良くわからない土地で、「遅延が大きく会話しづらい」という評価の IP 電話を頼みの綱にするのは、少々心元ありません。特に今回のような一人旅の場合、「音声通話が必要になる状況」=「事故や急病等の緊急事態」ですから、確実なインフラを確保しておきたいところです。

幸いイギリスの通信事業者は、音声通話機能に絞り込んだ電話 + プリペイドプランも安価でラインナップしているので、今回は Nexus7 向けのデータ通信用 SIM に加えて、音声通話用電話 (+ SIM カード) も調達することにしました。

ちなみに、今回の渡英では、一週間の滞在期間のうち:

  • 前半はスプリント会場に缶詰なので、外出時やホテルでのちょっとした通信ができれば良い
  • 後半三日間は専ら観光なので、モバイルでのネット利用はこの期間に集中する

という感じで、実質的には三日+アルファ的な利用になるので、データ通信量は 1GB 程度もあれば大丈夫だと思われます。

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Mercurial の Automatic Pooled Storage for Clones

本エントリでは、Mercurial 3.5 から導入された "Automatic Pooled Storage for Clone" について説明します。

なお、この機能の開発を主導した、"Mozilla の中の人" こと Gregory Szorc 氏自身も、"My Contributions to Mercurial 3.5" と題したブログエントリで、この機能について言及しています。

share 機能の概要

同一のプロジェクトにおいて、複数の作業を平行して行う場合に、hg cloneリポジトリを複製し、複製先で作業することもあるでしょう。

$ hg clone src cloned1
$ hg clone src cloned2
$ hg clone src cloned3

しかし、hg clone での複製による運用は、履歴情報(図中の色つき矩形部分)が各リポジトリに散在してしまうことから、場合によっては以下の様な点が気になるかもしれません:

  • リポジトリで保持される履歴情報には共通部分も多いので、ディスク領域の無駄がある
  • 作業成果(= 新規リビジョン)も各リポジトリに散在するため、反映忘れの可能性がある
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Why hg.mozilla.org is Slow

This entry is a Japanese translation of Gregory Szorc's "Why hg.mozilla.org is Slow". Thank you for permitting to translate the blog entry, Gregory !!

Gregory Szorc 氏は、Mozilla プロジェクトにおける大規模リポジトリでの運用経験を元に、性能改善等に関する多くの修正で、Mercurial の開発に貢献しています。

このエントリでは、Szorc 氏のブログにおける "Why hg.mozilla.org is Slow" を翻訳したものを、Szorc 氏の許可の元に公開します。

少々冗長ではありますが、翻訳との対応がわかりやすいように、段落毎に原文も併記しています。

なお、文中で度々登場する "pushlog" とは、Mozilla プロジェクトのインフラで使用されている Mercurial のエクステンションのことです。Mercurial 本体に取り込まれた修正の中でも言及されていますが、hg push 操作によるリポジトリへの履歴反映の内容を、SQLite でも記録する仕組みとのこと。

Mozilla's pushlog extension (an extension that opens a SQLite database and tries to tie its transaction semantics to Mercurial's transaction)

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江戸文字展〜ヴァチカン教皇庁図書館展II

「文字」つながりで、深川江戸資料館で開催されている「江戸文字展」と、印刷博物館で開催されている「ヴァチカン教皇庁図書館展II」を見学してきました。

深川江戸資料館

今回が初めての深川江戸資料館見学だったのですが、常設展示を見てびっくり!建物の地下には、江戸時代の街並みが再現されているではないですか!


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Mercurial の検閲 (censor) 機能

Mercurial 3.4 から、エンドユーザレベルで "censor" 機能を利用するための、censor エクステンションが同梱されるようになりました。

"censor" 機能とは、一言で言うなら「履歴に記録されたファイル内容の検閲」の事です。ここで言う「検閲」は、「内容の事前確認」よりも「不適切なデータの消去」の意味と考えてください。

censor の仕組み自体は、随分前からコア機能として取り込まれていたのですが、そろそろエンドユーザ向けに機能を公開しても良かろう、という判断が下されたものと思われます。

もっとも、公開されはしたものの、censor エクステンションのヘルプでは、基本的な事柄しか説明されていません。"File Censorship Plan" と題した Wiki ページが用意されてはいますが、これはどちらかというと、開発方針や実装上のポイント等の、内部寄りな話がメインで、使い方に関する話はあまり書かれていません。

そこで、このエントリでは、現時点で私の把握している範囲で censor 機能について説明しようと思います。

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